甲冑は、武士の身を守る武具としての機能美、また、日本に古くから伝わる麻・絹などの素材が使われ、漆や金を用いて装飾を施す技巧など、芸術的な美も備えた、世界に誇れる伝統工芸品であります。
平成20年のこと、鶴岡・致道博物館に所蔵されております、酒井家二代「家次公」の甲冑を修復する為、名古屋から甲冑師の熱田伸道氏が訪れました。 約四百年の時が経った「家次公」の甲冑は一年の期間を得て、見事に修復され荘内に戻って来ました。
修復された「家次公」の甲冑を拝見し、修復についての説明をお聞きしていた際、熱田氏より「現在、甲冑師として正しい知識を持って修繕が出来る甲冑師は全国に十数名ほどしかおらず、このままでは日本の甲冑文化が消えてしまう・・」という、これからの甲冑文化の継承を危惧するお話がありました。
「戦国時代より、ここ庄内には、酒井家をはじめ、数多くの甲冑が存在することから、その修復・保存・目録を作ることは出来ないだろうか。」と相談を受けました。
そのような経緯から『荘内藩甲冑研究会』を立上げ、当地での甲冑師の育成をはじめ、甲冑文化を後世に伝えていくことによって、城下町文化を醸成し、特色ある街づくりに貢献することを目的としております。